洗濯のきほんのき


洗濯の豆知識
「洗剤の種類がありすぎて迷っちゃう。」「衣類のタグについている絵表示の正しい見方がわからない。」そういった悩みも洗濯が大変と思う1つの要因ですよね。ここでは洗剤との種類や絵表示について解説。衣類にあった適切な洗濯を行っていきましょう。
洗剤の種類
まずは、洗剤選びから始めましょう。お店に行くと、たくさん種類があって悩んでしまいますよね。洗剤は大きく4つにわかれますが、基本は洗濯用洗剤だけで大丈夫です。後は、衣類の種類や用途、好みに合わせて選んでくださいね。また、洗剤を規定量以上に入れてもキレイにはなりませんし、環境にも良くありません。洗剤は規定量を守って使いましょう。
洗濯用洗剤
界面活性剤でよごれを落とす洗剤のうち、“綿・麻・合成繊維用”で弱アルカリ性の洗剤を指します。その中で“合成洗剤”と“石けん”があります。得手・不得手があるので、用途に合わせて選んでください。
合成洗剤は、いろいろな成分をプラスしたものが種類豊富に出ていますが、ものによって不得手な衣類があります。
石けんは、皮脂汚れなどに威力を発揮し、人肌に優しく、色落ちもしにくいですが、石けんカスがついたり溶けにくかったりします。
中性の洗濯用合成洗剤
界面活性剤で汚れを落とすもののうち中性の洗剤を指します。ウールやカシミヤなど、綿やポリエステルの繊細なつくりのお洒落着でも使えます。水洗いOKなものなら、ドライマークがついていても家で洗えます。
漂白剤
“塩素系”と“酸素系”と“還元型”があります。液体の酸素系(弱酸性)以外はアルカリ性なのでウールやシルクには使えません。一番強い塩素系は、白物のみ。酸素系は色柄ものにも使えます。
仕上げ剤
風合いのやわらかさや、静電気防止をしたいなら「柔軟剤」を使います。シーツやワイシャツなどパリっと仕上げたいなら「洗濯のり」を使います。
絵表示の見方
「洗濯したら、縮んで着れなくなった…」なんてことがないように、洋服の裏などに付いている、家庭用洗濯取扱い方法の表示記号に従って、お洗濯しましょう。
ちなみに、2016年12月から、洗濯表示が新JIS表示に変更になりました。新しい洗濯表示は、「洗濯の仕方」「漂白の仕方」「乾燥の仕方」「アイロンのかけ方」「クリーニングの種類」の5つの≪基本記号≫と、「強さ」「温度」「禁止」を示す≪付加記号や数字≫の組合せで構成されます。
世界共通の洗濯マークになったことで、海外で購入した洋服もスムーズに扱えるようになりました。
下の表でマークの意味を紹介しています。参考にしてくださいね。
洗濯の仕方
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- 液温は95℃限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
- 液温は70℃限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
- 液温は60℃限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
- 液温は60℃限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
- 液温は50℃限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
- 液温は50℃限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
- 液温は40℃限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
- 液温は40℃限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
- 液温は40℃限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる
- 液温は30℃限度とし、洗濯機で洗濯処理ができる
- 液温は30℃限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる
- 液温は30℃限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる
- 液温は40℃を限度とし、手洗いができる
- 家庭での洗濯禁止
漂白の仕方
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- 塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白処理ができる
- 酸素系漂白剤の使用はできるが、塩素系漂白剤は使用禁止
- 塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止
乾燥の仕方 <タンブル乾燥>
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- タンブル乾燥処理ができる(排気温度上限80℃)
- 低い温度でのタンブル乾燥処理ができる(排気温度上限60℃)
- タンブル乾燥禁止
乾燥の仕方 <自然乾燥>
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- つり干しがよい
- 日陰のつり干しがよい
- ぬれつり干しがよい (※1)
- 日陰のぬれつり干しがよい
- 平干しがよい
- 日陰の平干しがよい
- ぬれ平干しがよい
- 日陰のぬれ平干しがよい
アイロン仕上げ
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- 底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる
- 底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
- 底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる
- アイロン仕上げ禁止
クリーニングの種類 <ドライクリーニング>
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる
- パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
- 石油系溶剤によるドライクリーニングができる
- 石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
- ドライクリーニング禁止
クリーニングの種類 <ウエットクリーニング (※2)>
- 新洗濯表示
- マークの説明
- 旧洗濯表示
- ウエットクリーニングができる
- 弱い操作によるウエットクリーニングができる
- 非常に弱い操作によるウエットクリーニングができる
- ウエットクリーニング禁止
記号で表せない取扱情報は、必要に応じて、記号を並べて表示した近くに用語や文章で付記されます。(事業者の任意表示)
考えられる付記用語の例:「洗濯ネット使用」「裏返しにして洗う」「弱く絞る」「あて布使用」
服の素材
服に使われている素材には、それぞれの特徴があります。覚えておけば洗濯する時や収納する時に参考になりますよ。
- 素材
- 説明
- 綿
- 用途:肌着・タオル・ワイシャツなど。
長所:肌触りがよく、吸湿・吸水性が大きい。水や熱に強く、丈夫。虫害は受けない。
短所:のびが小さく、シワになりやすい。また、縮みやすい。カビに侵されやすい。
- 麻
- 用途:夏用衣類・ハンカチなど。
長所:吸湿・吸水性が大きく、水や熱に強く丈夫。
短所:のびが小さく、シワになりやすい。また、濃い色は白っぽくなる。
- 絹
- 用途:和服・ネクタイ・スカーフ・ブラウスなど。
長所:しなやかで光沢がある。
短所:紫外線で色あせや黄ばみ、虫やカビがつきやすい。アルカリ性・塩素系洗剤に弱い。
- 毛
- 用途:セーター・スーツ・制服・毛布など。
長所:保湿性が大きく、シワになりにくい。水をはじく。
短所:水で洗うと縮みやすく、紫外線で色あせ、黄ばみやすい。アルカリ性・塩素系洗剤に弱い。
- アンゴラ
- 用途:セーター・帽子など。
長所:毛は絹のように細く、光沢があり、柔らかい。保湿性に優れ、軽い。
短所:毛玉になりやすく、静電気を帯びやすい。虫害を受けやすい。
- カシミヤ
- 用途:セーター・マフラー・手袋・コート・スカーフなど。
長所:毛が細く柔らかで、軽い。保湿性と吸水性に優れている。上品な光沢としなやかな風合い。
短所:毛玉になりやすく、摩擦に弱い。中外を受けやすい。
- モヘヤ
- 用途:セーター・毛布・ショールなど。
長所:絹のような光沢があり、弾力性に富む。
短所:毛が抜けやすい。虫害を受けやすい。
- アルパカ
- 用途:セーター・ポンチョ・帽子・マフラー・手袋など。
長所:なめらかな手触り。毛足が長く、光沢がある。繊維の太さがそろっている。
短所:虫害を受けやすい。
- 羽毛
- 用途:ダウンジャケット・布団など。
長所:軽量で、とても温かく弾性回復力がある。保湿性と吸放湿性に優れているため、ムレ感がない。
短所:紫外線劣化しやすい。
- レーヨン
- 用途:婦人下着・裏地・ブラウス・カーテンなど。
長所:吸湿性があり、肌触りが良い。
短所:シワになりやすく、縮みやすい。濡れると弱くなる。
- ポリノジック
- 用途:婦人夏服地・ブラウス・下着・裏地など。
長所:吸湿性があり、肌触りが良い。レーヨンよりひっぱり強い。
短所:シワになりやすい。
- キュプラ
- 用途:婦人下着・裏地など。
長所:吸湿性があり、肌触りが良い。軽くて光沢もある。
短所:シワになりやすく、縮みやすい。
- アセテート
- 用途:スカーフ・ドレス・ベルベットなど。
長所:光沢があり軽い。弾力性があり、紫外線に対して強い。
短所:伸びやすく弱い。
- プロミックス
- 用途:セーター・タオル・肌着・スカーフなど。
長所:絹のような風合いで、光沢がある。吸湿性と耐光性がある。
短所:易燃性繊維。吸湿しにくい。
- ナイロン
- 用途:スポーツウェア・ストッキング・靴下・傘など。
長所:シワになりにくく、ひっぱりや摩擦に強い。熱可塑性がある。
短所:吸湿性が小さく、静電気を帯びやすい。熱に弱い。
- ポリエステル
- 用途:服全般・インテリア用品・傘など。
長所:シワになりにくく、ひっぱりや摩擦に強い。熱可塑性がある。
短所:静電気を帯びやすく、熱に弱い。毛玉ができやすい。
- アクリル
- 用途:セーター・カーペット・毛布など。
長所:毛に似た風合い。シワになりにくく、ひっぱりや摩擦に弱い。熱可塑性がある。
短所:
- ポリウレタン
- 用途:水着・靴下・タイツ・婦人肌着など。
長所:ゴムのように伸縮し、シワになりにくい。ひっぱりや摩擦に強い。
短所:塩素系漂白剤に弱い。静電気を帯びやすく、熱に弱い。
- ビニロン
- 用途:制服・作業服・テントなど。
長所:丈夫で摩擦に強い。
短所:染めにくい。
洗濯のやり方
洗濯の豆知識を身に付けたら、実際に洗濯する際の注意点を確認しましょう。洗濯機に入れる前や、実際に洗濯機で洗う時も適切な方法を確認することが大切です。実際に洗濯したら衣類が台無しに・・・といったことがないよう注意しましょう。
洗濯機に入れる前に

1.白物と色柄物に仕分けしておきましょう。洗うときは白いものから先に洗うと色移りしにくいです。
2.ポケットの中のホコリや異物も取り除いておきましょう。
ティッシュを取り忘れて、大切な衣類がティッシュまみれなんてミス…イヤですよね。
3.ファスナー、マジックテープなどは閉めて洗いましょう。
4.シャツの襟首や袖の汚れ、食べこぼし等のシミは洗濯機に入れる前に部分手当をして下さい。
洗濯機で洗う

お手持ちの洗濯機の、最大容量の8割程度が一番効果的に洗える量です。詰め込みすぎは、洗濯機にも衣類にもよくないので注意しましょうね。洗濯機に入れるときは、汚れが強い靴下などから投入するとよいでしょう。
衣類の重さの目安
- 種類
- 重さ(約)
- 種類
- 重さ(約)
- 半袖Tシャツ
- 150g
- 長袖Tシャツ
- 250g
- 半袖シャツ
- 165g
- 長袖シャツ
- 250g
- ジャージ
- 280g
- ジャージズボン
- 400g
- パーカー
- 700g
- パジャマ(上下)
- 800g
- デニムパンツ(男性用)
- 600g
- デニムパンツ(女性用)
- 380g
- 下着(男性用)
- 70g
- 下着(女性用上下)
- 70g
- タンクトップ
- 120g
- キャミソール
- 85g
- 靴下
- 60g
- ストッキング
- 20g
- タオル
- 200g
- バスタオル
- 300g
- ハンカチ
- 15g
- ゆかた
- 400g
洗濯の干し方
衣類の両端をもって何度か振って、ほぐすようにして脱水時についたシワをのばしてから干します。干す時は、なるべく風にあたる面積を増やしてあげます。これによって、乾きが早くなりますよ。
梅雨シーズンや外へ干したくないものは、部屋干ししますよね?部屋干しは、扇風機で風をあて、除湿機や換気扇でお部屋の湿気を逃がしてあげると理想的です。
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角ハンガーに干すときは、外側に長い衣類、内側に短い衣類を吊るしてアーチ状に干しましょう。平状に干すのに比べ、洗濯物が乾きやすい効果があります。
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フードが付いている服は、フード部分を洗濯はさみで開いて留めたり、逆さにつるして袖やフード部分の重なりをなくしたりすると早く乾きます。
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ブラウスやシャツの袖口はピーンとさせたいですよね。手で挟んでバンバンと叩いてあげると乾いた時のハリが違いますよ。
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靴下はゴム部分を上にして干しましょう。つま先を上にしてしまうと、水分が下に向かってしまい、ゴム部分が乾きにくくなり、水分の重みで下に下に伸びてしまいます。
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ハンカチは、縦の折りジワを伸ばしてから干すと、乾いたときにピンと張ってアイロンいらずですよ。
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色の濃いものは、紫外線により色が褪せてしまう可能性がありますので、裏かえして干すか、陰干しや部屋干しにしましょう。